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今回は、弊社より定期非常勤のお仕事にご勤務いただいております、「小林恵三先生」に開業医になられたきっかけ、
また医師の現状など、様々なお話をお聞かせいただきました。
インタビュアー
- 先生は、神戸大学 医学部 出身でいらっしゃいますが、医師を目指されたきっかけ、また、開業を決意されましたきっかけなどお話いただけますでしょうか。
小林
- 兄の体が不自由だったからです。兄は、整形を要する病気になり、小学校~中学校までは、
体の不自由な人を治療しながら学校を併設している施設、「のじぎく園(肢体不自由専門の養
護学校)」で、寝・食を共にする共同生活を送っていました。そのため、わたしたち家族は、
日曜日に面会に行っていました。
解説しますと、予防に力を入れないと駄目なのです。
大腿骨の頸部骨折で手術をして歩けるようになる人もいますが、寝たきりになってしまう人もいます。今の医療状勢では、長く入院できなくなっており、昔は、もっと悠長に診ていたので、「歩けるようになったから帰ろうか。」「ありがとうございます。」と言って帰られていましたが、今は、手術をして落ち着いたら、すぐに転院となります。
入院している病院に信頼を寄せている患者さんほど、「他に移りたくない。」「他の病院は、どんなところか分からないので、もっと長く診てください。」と言われますが、今の医療状勢では、残念ながら無理です。
1ヶ月を過ぎると入院料の保険点数が大幅に下げられるので、急性期の病院等は、沢山の患者さんを手術し、受け入れ、少し良くなったらリハビリ専門の病院に転院させます。それは、良い・悪い関係なくどうすることもできません。
そこで、私は、そういった骨折をする人を減らすことが良いのではないかと考え、手術に関係の無い患者さんは、大きな病院より、近くの診療所で診てもらうような流れの中で、開業する方法が良いのではないかと思いました。
インタビュアー
- そちらの方が、一人ひとりの患者さんと向きあうことができますものね。
小林
- ある疾患のケアを、初めから終わるまで、おつきあいすることができる。
ですので、骨折もそうですし、人工関節でも、人工関節にならない方が良いでしょう。
例えば、あなたが胃がんの名医を知っていたとして、手術を希望し、VIP待遇でしてもらえたとする。でも、胃がんにはなりたくはないでしょう。
その先生に手術してもらって100%助かると分かっていても嫌でしょう。
それを整形外科でいうと、命とは直接かかわらないので、そのへんのところの敷居は低いですが、人工関節をしないほうが、人生をまっとうできますし、どれだけ良い施設だったとしても、200人に1人は合併症になる可能性もあります。
手術を否定するものではないですが、手術は痛みをとるには良い方法ですが、そうならないにこしたことは、ないでしょう。手術をするにしても、ほとんどが高齢の方なので体調が悪くなったり、入院が長引いたり等、医療過誤や、医療ミスがなくても、亡くなる方がでてくると思います。数が増えるにつれ、一定数でそういう方もでてこられます。
お産でも、誰が悪いのではなく、誰でも正常に出産ができるわけではないでしょう。かと言って、お産を減らすわけにはいかないですが。
そういった事もあるので、子供を産みたくないという方もいます。
出産を減らすことは、今後の日本のためには良くはないですが、人工関節になる人を減らすことは、良いわけです。誤解を招くようないい方かもしれませんが、人工関節の名医が暇になる世の中の方が、僕は好ましいと思います。
減らしていっても、高齢化社会になるので、需要はあるのですよ。
むしろ増えていくと、そういった先生方もパンクしてしまいます。今でも、手術の遣り繰りを、考えておられる状態です。
そのように、医師の方が対応できず、患者さんがある病院で手術をしようと思っても患者さんで溢れてしまい、あまり経験のない医師が対応することになり、あまり良い結果がでなかった、では駄目でしょう。
人工関節は、特殊な手術ではありませんが、やはり、そういった可能性があるとすれば、ある程度経験のある医師が対応された方が良いと思います。リハビリの不具合や、スタッフのことも考えて・・・。
医師がいれば大丈夫ということではなく、医師ひとりの力ではなく、スタッフも含めてのことなので、そういった環境でできた方が色々な意味で良いと思いますよ。
インタビュアー
- 患者さんにとっても、医療にかかわる方にとっても、その方が良いですね。
小林
- 「医師が過労死」では、おかしいでしょう。
その流れで言いますと、ラジオ出演は突然だったんです。
ある日、ラジオ局から電話がありまして、「収録の時間は、診察があるので無理です。」と
断ったのですが、プロデューサーの方が直々に会いに来られ、
「録音は、スタジオで行うのですが、1カ月分をまとめて録音しますので、月に1度だけ
局に足を運んでいただき、私たちとそういう機会を作りませんか。」というお話で決まった
インタビュアー
- 昨年、1年間レギュラー出演された、『ビタミント』ですね。
小林
- そうです。実は、『ビタミント』と『ラジ王』は、同じプロディーサーが担当されているのですが、昨年10月に一ヶ月だけ、『ラジ王』にゲスト出演し、それが僕の知らないところで
オーディションの場になっていたそうで、『ビタミント』が縁で、ラジオ関西の『ラジ王』の出演が決まったんです。
インタビュアー
- わたくしも、毎週会社で、聴かせていただいておりますが、お話されている内容が非常に分か
りやすいです。歩くことの大切さ、様々な骨折があるというお話等、毎週楽しみにしております。
小林
- お話することによって、患者さんは「聞いてもらえた!」という満足感もありますし、僕たち
がいくらレントゲンを撮って、体を診察しても「過去に、こんな病気をしたことがあります。」
ということを知らないばかりに、間違った診断をすることもあるのです。
簡単にいいますと、患者さんのお話を聞ければ、検査をする前に診断がつくこともありま
す。正しい診断をつける前に、『問診』が必要ですし、その方が、どんなライフスタイルを送っておられるのかで、治療も変わってきます。
デスクワークが長い方でしたら、「腰・首が痛くなるので注意してください。」ということもお話しないといけませんし、その辺は症状が同じでも、その方の年齢や職業等で注意点が変わってくるので、患者さんとお話をする際には、痛みの思い当たることも含め、過去に大きな病気を経験されているか等をお聞きするのです。
インタビュアー
- 患者さんそれぞれ原因がございますものね。
小林
- そうです。普通に、「先生、足が少し痛いのですが。」でしたら、肉離れかなって分かるのです
インタビュアー
- じっくりお話されることで、情報を収集されているということなのですね。
小林
- はい。患者さんからお電話でお話を伺うだけでも症状は分かります。
例えば、「減量する」ということも、簡単にいいますと説得力がなくなります。
また、「減量が必要です。」と患者さんへアドバイスしても、自分が太っていたら説得力がないですよね。これをいうと怒られるかもしれないですが、すごく太ったスポーツ医は駄目だと思います。
インタビュアー
- そうですね。すごい技術をお持ちの方でも、イメージ的に悪いですよね。
小林
- そうです。そういったイメージは大切じゃないですか。何でもイメージが悪いと駄目ですよね。
自分の体は、ある意味、商品だと思っています。
インタビュアー
- 先生は、看板のような存在ですものね。
小林
- 患者さんを診るドクター自体は、金儲けして、贅沢して、太っていると思われたら駄目だと思います。
インタビュアー
- そうですね。小林先生は、節制されていらっしゃるのですよね。わたくしは、スポーツマンという印象を受けました。また、10㎏の減量に成功されたとお聞きしておりますが、すごいですね。
小林
- 正確にいいますと、12㎏ぐらいです。ちょうど1カ月に1㎏ペース、1年間で12㎏です。
インタビュアー
- それは、普段お歩きになられる程度で実現されたのでしょうか?
小林
- あまり公表したくないのですが、毎日、腹筋と腕立て伏せを100回ずつしていましたし、病院に勤めていた時は、懸垂もしていました。ウォーキングは、毎日30分程歩いています。30分ぐらいの方が、良いのではないかと思いますよ。
インタビュアー
- しかし、腹筋と腕立て伏せを100回とは、普通の人はなかなかできないですよね!
小林
- 慣れればできますよ。
続けるためのコツは、体調の悪い時はキッパリと休むことです。
そこで無理をして続けてしまうと、しんどくなって後が続きません。
私は、今年1月は風邪気味で調子が悪かったので、ウォーキングはやめていました。
寒い時に、そこまで真面目にしてしまうと、かえって体調が悪くなってしまいますしね。
インタビュアー
- ノルマや、義務のようになってしまうということですね
小林
- そうです。ですので、天気が悪い日は、ウォーキングはしません。朝のウォーキングをやめて、お昼の往診の時は歩いて行こう等、他でカバーをするようにします。僕達の仕事でもそうですよね。天気が悪くて寒い日は、患者さんの少ない時もあるので、一ヶ月単位で考えるようにしています。広い目で一喜一憂していかないと、「急にうちのクリニックの評判が悪くなったのかな。」と考えても仕方がないです。1日ではなく、1週間、一ヶ月単位等の長いスパンで考えています。
今どうか、ではなく、その辺で微調整をしていくのです。
また、『食べたいものを食べないと痩せる』というのは、僕の価値観の中では、違います。
むしろ、何も考えず食べたいので、普段から節制したら良い。少し食べ過ぎたら、翌日少し調整する、等です。
インタビュアー
- すごく勉強になります。
小林
- 毎日、一定数できたら良いのですが、そう上手くいかないですしね。
インタビュアー
- 物事にはどうしても波がありますし、長い間継続して続けるコツは頑張りすぎない、ということですね。
小林
- 僕達も務めていると、日本の医師の給与が安い等、あるのですが、それも給与の安いことが嫌であれば、独立したら良いわけですし、独立してみてわかりましたが、病院へ勤めていると、守られています。給与は安いかもしれませんが、年金等を払ってもらえています。
ですので、従業員の誰が退職しようが、自分がスタッフの一員であれば、大きな病院で退職しても、それほど影響はないですが、その辺のことも考えないといけないです。
インタビュアー
- クリニックを開業されておられると、体調がお悪い時にもなかなかお休みにできないですものね。
小林
- 労働基準法が、当てはまらないですね。沢山働いて過労死しても駄目ですしね。\
インタビュアー
- 先生のこちらのクリニックは、甲南山手の駅前で、とても良い場所ですね。
小林
- ありがとうございます。ちなみに、人に紹介する際、西の方に行くと『甲南山手駅』と説明してもあまり知られていないのです。JRでみると、『住吉』の次が『芦屋』になり、中間部分が飛ばされていたりするのです。ですので、聞かれたら「石川 遼くんがドライバーで打ったら芦屋には届きますけど。」と言うのです。当たりの良いゴルフでしたら届きますからね。
インタビュアー
- 先生が、甲南山手を選ばれた理由をお聞かせください。
小林
- 患者さんがついていないところで、開業しようと思ったのです。前勤務地の加古川などで開業するのは、手堅いです。
そういったところではない場所で開業しようと思いました。
インタビュアー
- 今まで、先生ご自身に縁の無い場所でということですね。
小林
- そうです。縁の無い場所で、どれだけできるか試したかったのです。しかし、これは賛美両論あると思います。借金を抱えてするものですから、堅いことをして何が悪いと言われたら、それまでですし、そういう方でも僕は否定はしません。
それが上等だと思いますし、落下傘で行くのは、しんどいと思います。ただ、落下傘と言いますか、自分の価値観が大切です。手堅いことと、どうなるかわからない方でしたら、どうかなるかわからない方に行きたくなります。手堅い方へ行っても、その人生は楽しいのかな、っと思ってしまうのです。クリニックをして、そこで軌道に乗ってということは良いことなのですが、それだけでしたら、変な苦労をせず勤務医だってお給与は上がっていきますし、普通に仕事をしていたら良いと思います。独立となりますと、独立したメリットがあるわけです。
どこに行こうが、自分で決めれば良いのです。医局に属しているとこっちに行ってくださいといわれると、行かなければいけないですし。
その辺を自分で選べるのであれば、一番、自分が住んでみたい場所で開業しよう等、色々と計算します。ただ、頭で考えたことは、その通りにはあまりならないでしょう。
現在の、日本もそうです。上手くいっていたら、今だって税金はそんなに高くはなって
いないはずです。なので、そうすることによって、新しい出会いがあるのではないかと思うのです。今まであまり縁のなかった場所に来れたことが、新たな出会いと言えるのですね。
小林
- 東灘だって、神戸大学を出ているので、この辺の場所は知っていますが、仕事はしたことがないので、地域の方からすると「誰ですか?」となりますよね
インタビュアー
- 多少、お知り合いがいらっしゃったからですね。
小林
- 近くの病院に勤めていたら、「○○病院勤務の先生が開業された」とかは、僕らも地元でよく聞きましたが、「市民病院の先生が駅前で開業された。」っていうことが、全く無いところから始めた方が、良いのではないかと。
恐らく、加古川等で、開業したとしてもラジオで話したりはしていないでしょう。
プロデューサーが、『もともと勤務していたところではない場所で開業した』というところ
に興味を持ちました、とおっしゃっていた。ですので、僕なんかが声をかけていただいたのは、
ここで開業をしたからなのでしょうね。ここの場所がというより、元々勤めていた場所では
なく離れた場所でということと、駅前に看板を出してもいませんし、何をしているわけでも
ないので、そこに興味を持ってもらえたのではないでしょうか。
インタビュアー
- そのようなお考えがおありだったのですね。
何事にも常に挑戦され続ける先生のお姿、とても素敵です。
これからもずっと、地域の方々の憧れの先生でいらしてください。
本日は、楽しいお話ありがとうございました。


小林 恵三
(こばやし けいぞう)
【小林整形外科クリニック院長】
学位・資格 日本整形外科学会
中部日本整形外科・災害外科学会
日本整形外科学会認定専門医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定リハビリテーション科医
日本医師会認定健康スポーツ医
経歴 1994年(平成6年)
神戸大学 卒業
2008年(平成20年)7月
小林整形外科クリニック 開業
-
小林整形外科クリニック
http://www.kobayashi-seikei.net/pc/
(整形外科 リハビリテーション科 リウマチ科)
【ラジオ番組出演情報】
ラジオ関西(558KHz)の「ラジ王」
毎週水曜日17時48分~17時55分
パーソナリティー 水野 潤子